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スケッチ・オブ・ミャーク Sketches of MYAHK (2011) 宮古島


ずっと見たいと思っていた『スケッチ・オブ・ミャーク 』をDVDにて鑑賞しました。
”ミャーク”は沖縄の離島、”宮古島”です。
宮古島には沖縄民謡とはまた違ったアーグという古謡と、神聖な神事における神歌があり、その唄に焦点を絞ったドキュメンタリー映画です。

沖縄には本島にも八重山諸島にも沢山の古謡があるのですが、宮古島は少ないといわれていたそうです。
でもそうではなく、音楽家の久保田真琴さんは宮古の唄は継承する人がいなくて消滅しつつあったということを知ったそうで、制作されたドキュメンタリーです。
神事で歌う神歌は、その儀式もなくなった集落もあるそうで、唄える方もかなりご高齢なので、絶滅寸前なんだそうです。
宮古の唄を映画に残そうという意気込みを感じる映画で、見て良かったと心から思える映画でした。

土地の言葉で「ミャーク」と呼ばれる宮古島には、島での生活や神への信仰から派生した歌が、長きにわたり人々の間で歌い継がれてきた。生き証人である島の老人たちはその昔、厳しい生活と信仰と歌がひとつになった時期があったことを語る。今も神は島の人々にとって大切な存在で、御嶽(うたき)といわれる霊場ではいにしえより伝わる神歌がささげられている。---cinema today


宮古島の宗教は、概念は神道に似た自然宗教にちょっと似ていますが、明確に違うのは神が仕えるは女達で、御嶽(沖縄の霊的な場所)は男子禁制だそうです。
沖縄本島や別の離島でも、男子禁制の御嶽は今でもあるみたいです。
カメラの前の女性たちはビックリするほど自然体で、気さくでかわいらしい。
そんな女性達がひとたび歌いだすと、神聖な雰囲気を纏い、空気がガラッと変わります。

1637年から1903年までの250年余りの間、宮古島は薩摩支配下の琉球政府により、重い人頭税が課せられていて、非常に苦しい生活を強いられていました。
そんな中での神事と、唄われる神歌は、苦しさを包み込んでしまうような、力強くて器の大きな唄のように感じました。
海外を旅すると、フラメンコやファド、ガムラン等、世界各地の音楽にわけもなく感銘を受けることが多々ありました。
その理由がこの映画を見て少し分かったような気がします。
先人たちの歴史や伝えたい強い思いが、歌い手に引き継がれて生きているからだと思いました。
そしてかつて人々の厳しい生活とアーグが共生していたことを、生き証人であるおばあ達が語っています。

そしてその唄は絶滅の危機だそうです。
唄は口伝えで継承するもので、継承者がいないからだそうです。
苦しい時は神頼みということわざがあるように、平和な世では必要とされなくなってしまうのかなぁ、と思いました。
必要のないものは廃れていくというのは自然の摂理とはいえ、唄を知ってしまった今となるとなんだか切ないです。
唄は継承されなくなったとしても、唄の魂のようなものは、宮古の人々に継承されていくのかな、と思いました。

宮古の人たちにとって唄は神と一体になることで、”生”への思いは唄になり、神に届き、時には神の声が聞こえる。
自分は無神論者だけど、うらやましいな、と思いました。

沖縄ファンの方はぜひ見てください^0^











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