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春との旅 (2010) +ロケ地 仲代達矢×徳永えり



『春との旅 』は、祖父と孫娘の珠玉ロードムービーです。
もう既に高齢化社会ですが、今後ますます日本は年老いていくので、考えさせられざるをえない社会派映画でありながら邦画らしい家族、親族間のヒューマンドラマです。
地味目な映画ですが名優と言われる役者さん達による、とても見応えがあるオリジナル映画です。

あらすじ: 忠男は19歳の孫娘・春と、北海道の漁師町に暮らす元漁師。足が不自由頑固偏屈、今では老いて春の助けを得て暮らしている。が、春の勤め先である小学校が廃校になってしまう。 春が仕事を失ったため、2人の生活は立ち行かなくなり、春は都会に出て仕事をすることを考えはじめ、忠男の生活の面倒は忠男の兄弟たちに見てもらおうと疎遠だった兄弟たちを訪ね歩く旅に出る・・・


海辺のボロ家から、激怒した老人忠雄が出てくるところから映画は始まります。
その後ろからボロ家から出てくるのが、老人を連れ戻そうという少女。
でも少女をすごい剣幕で拒絶し、突き進む老人。
連れ戻すことを諦めて、仕方なく老人の後についていく少女。



・・・というこの冒頭のシーンだけで「なにが起こったのか?」と心を捕まれました。
2人の事情は徐々に分かってきます・・・忠男が疎遠だった自身の兄弟たちの所に「自分の面倒を見てくれ。」と孫娘と頼みに行くロードムービーです。
善人役でも悪人役でもデキル男なイメージの仲代さんが、足引きずってショボくれた頑固偏屈、孫娘に我侭言い放題の、ちょっと情けないクソジジィを演じています。
でも誰よりも孫のことを大切に思っているクソジジィです。

名優揃いの超豪華キャストと徳永えり

○気仙沼に住むそりの合わない兄夫婦=大滝秀治&菅井きん
○一番ウマが合うワケアリ弟の内縁の妻=
○鳴子温泉の旅館をきりもりしている姉=淡島千影)
○仙台で不動産業を営む弟夫婦=柄本明&美保純

おまけに田中裕子さんのご近所さんの飲んだくれの元船乗りが小林薫、春を捨てて家を出た父親が香川照之、その再婚相手が戸田菜穂。
忠男と兄弟たちのやりとりはもはや名人芸で、その応酬劇はとても見応えがありました。
そしてこのベテラン勢の中、なんと春役の徳永えりさんがとても素晴らしいのです。
田舎っ子っぽく体重も増やしているように見えるのですが、可愛らしい徳永さんが垢抜けない忠男の孫娘を好演されています。


”老い”の悲哀と肉親だからこその意地

でも忠男の兄弟達だって老人です。
当然、忠男の面倒を見ることができない、それぞれの事情があったり、それぞれが”老い”という厳しい現実を抱えています。
でも血の繋がった兄弟だからこそ、見栄やプライドなんかもあってそんなことは言えなくて、憎まれ口を叩いて大喧嘩になる等、なんだかとても見に覚えが。。。
遠慮も配慮もなにもないため、キツい事を言いたい放題になるのが肉親で、血の繫がりのややこいところだなぁ、と思いました。
それでも肉親の愛情が感じられ、忠男にとっては本当にたまらん旅だなぁ、と思いました。
そんな兄弟たちそれぞれの葛藤や心の揺れが描かれていて、これがとても素晴らしかったです。




春の成長物語としてのロードムービー

でも年老いた忠男が旅を通して変わることはなく、変わるのは若い春です。
そんな祖父の旅路を側で見続けた春は、自分を捨てた父親に会いに行きたいと思うようになり、2人で父が営む北海道の牧場を訪ねます。
祖父と孫のそれぞれが、それぞれの過去と向き合う旅で、結局のところウマが合う忠男と春、2人で暮らすことが幸せだと認識する旅だと思いました。
それなのになぁ・・・TT

小津監督の「東京物語」を思い出しました。
旅の伴侶は孫娘で、訪ねて行く先は実の兄弟たちだけど、もっと世知辛くて、これが平成の世なんだな、と感じました。
忠男のように訪ねて行ける兄弟が4人もいて、孫も側にいる人はまだましだと思いました。
もっと若い世代、例えば春が老いても両親もいない、訪ねていける兄弟もいないのだから。


ロケ地は北海道と宮城県です。

北海道増毛町--忠男と祖父が住む地
宮城県気仙沼--兄夫婦、弟の内縁の妻に会った地
宮城県大崎市の鳴子温泉の大正館--姉の旅館
仙台--弟夫婦に会いに行った地
北海道新ひだか町 --春の父に会いに行った地
苫小牧港--春の父に会いにゆく道中

震災前の気仙沼の風景が見られます。



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