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カミハテ商店 (2012) プロ+京都造形芸術大学映画学科の学生たちの映画プロジェクト

本作「カミハテ商店」は、京都造形芸術大学映画学科の「北白河派」というプロジェクトだそうです。
とても面白い試みで、映画学科の学生さん+映画のプロが一緒に、劇場映画を作るプロジェクトだそうです。
沢木耕太郎の映画エッセイ「銀の街から」を読み、本作が紹介されていて・・・読んだら絶対見たくなるレビューでした。
沢木耕太郎の凄さは、レビューのほうが映画よりも魅力的なところだったりも(笑)



銀の街から : 沢木耕太郎

初老に差し掛かった千代(高橋惠子)は、山陰の小さな港町・上終(カミハテ)で、母親から引き継いだ小さな商店を営んでいる。愛想のない彼女のもとを訪れるのは、自閉症の牛乳配達の青年(深谷健人)と役場の人間(水上竜士)ぐらいだ。だが、いつのころからか近所の断崖を自殺者たちが訪れるようになり、彼らは最後に口にする食事として彼女の焼いたコッペパンと牛乳を買っていき……。--cinema today


高橋恵子さんが、主人公の老婆・千代を演じています。
老婆といっても高橋さんなので、なんだかフランスの女優さんみたいなアンニュイ老婆。

千代は上終(カミハテ)という漁師町で、亡き母から継いだ寂れた雑貨店を営み、毎日コッペパンを焼き店に出しています。
千代の店の近くには自殺名所である崖があります。
自殺志願者達の間で、千代の店のコッペパンと瓶牛乳を最期の晩餐としてから死ぬことが流行している模様・・・
図らずも自殺志願者達と関らざるえなくなった千代の憤りと、どうせなにもできないという死への無力さとその葛藤が描かれています。



一方、都会(京都?大阪?)で自営業をしている千代の弟・良雄(寺島進)。
千代と良雄の姉弟のことが交互に描かれています。
良雄は自転車操業の小さな会社を経営していて、取引先の会社の社長が自殺し売上を回収しそこね、子持ちの彼女は娘を良雄に託して失踪し・・・
良雄はなにもかも上手くいかないしょぼくれたオヤジで、自殺志願者予備軍かなぁ・・・?と思いながら見ていましたが、こんな死にたくなるような状況になっても良雄の絶対死なないだろうと思える説得力がさすが寺島さんだなぁ、と思いました。

対照的な姉弟ですが、この姉弟の人格を作ったのが、2人が共通して持つ過去の記憶から。

とにかく説明が少なく淡々としているので、睡魔と闘いながらの鑑賞でしたが、なんだか納豆みたいに糸をひく映画だと思います。
これだけ「解釈は見た人それぞれに任せるよ!」って映画、今時の日本映画にしては珍しいと思います。
驚くのはこのちょっと難解ともいえる物語をつくったのは、京都造形芸術大学の2人の女子学生さんだということです。
とても静かなTHE日本映画で、文学っぽい映画でした。

ロケ地は島根県隠岐郡海士町だそうです。

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