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KOTOKO (2011) 塚本晋也監督×Cocco 現実と妄想の狭間で・・・

塚本晋也 --企画・製作・監督・撮影・脚本・編集・出演
Cocco -- 企画・原案・主演・美術・音楽

映画『KOTOKO』は、2人の鬼才、塚本晋也×歌手Coccoの映画プロジェクトと言っていい作品だと思います。
KOTOKOはCocco自身である・・・そんな風に思える、強烈で不安定で儚くて暴力的、でも美しいCocco...じゃなくてKOTOKOの心の内を描いた映画です。
ガリガリに痩せて自傷跡のある写真を公表したCoccoが、KOTOKOとして躊躇なく手首を切り刻む姿は、ある意味いつもの塚本グロよりショッキングでした。
見たくないものがたくさん出てきて、なかなか心が圧迫される映画でした・・・

第68回べネチア国際映画祭オリゾンティ部門(前衛的な映画が選ばれる?)で日本映画として初めて最高賞(グランプリ)に輝いた作品です。


Coccoが演じるKOTOKOは、暴力(性暴力?)をふるわれたトラウマを持ち、以来物が二重に見えるという。
二重に見えないのは歌っているときだけ。
そして、一人で息子大二郎を育てるシングルマザー。
クソみたいなこの世界で、一人で大二郎を守り抜かなければならない・・・というような強迫観念から情緒不安定になり精神のバランスを崩してしまいます。
現実と妄想の狭間を行き来するようになり奇行を繰り返すことから幼児虐待を疑われ(・・・というか危なかった)、大二郎は沖縄の姉夫婦に預けられることに。
そんな時、彼女の歌う姿に魅了された小説家田中(塚本晋也)と出会い、田中はKOTOKOに献身的に尽くすのですが・・・

あらすじを文字で書くとこじんまりした感じになってしまいますが、ストーリーは殆どあってないようなもので、いつもの塚本作品よりもより抽象的なので、解釈はほんとうに人それぞれだと思います。



自分を傷つけ、他人を傷つけるKOTOKO

KOTOKOは育児ノイローゼと昔のトラウマから、精神疾患を発症し、ものすごくギリギリのところで生きている人です。
被害妄想に誇大妄想、そして自分にも他者にもとても攻撃的、暴力的で傷つけまくっている人。
そういう病ということなんですが、根底にあるのは子供を守らなければならないという気持・・・というよりはKOTOKOは本能で過剰反応してしまっているように見えてとても痛々しい。
この自他共に、暴力的に傷つけるシーンはかなり塚本節で、映像的、音的にキツかったです。
特に田中への愛を確かめる暴力は絶句でした・・・



「KOTOKO」を通しCocco自身の精神の病の追体験

延々と見せられるのは、その精神疾患を発症したKOTOKOの激しい情緒と、現実と妄想が入り乱れる、塚本節ゴア描写の怖ろしい世界です。
KOTOKOの妄想は悪夢そのもので、それをそのまま見せられているような気分になりなんとも言い難いテンションでした。
それは孤独で苦しくて暴力的で、目を背けてしまいたくなるような世界で呆然としてしまいました。
どこまでが現実で、どこまでが妄想なのか?ということも曖昧で、その解釈は観客に求められています。
KOTOKOを通して、Cocco自身の精神の病の追体験をさせられるような感覚で、その過酷さに思わず目をそむけたくなるようなシーンが多々ありました。


KOTOKOの歌声が圧巻

KOTOKOは「歌っているときは物が二重に見えない」
田中が魅せられた歌声は圧巻でした。
KOTOKOの・・・というかCoccoの歌声の魅力ってなんなんでしょう?
気が抜けない緊張を強いられるシーンの連続で、Coccoが歌い踊るシーンだけが唯一の癒しでした。
塚本監督作品「ヴィタール」の海辺で踊るシーンも綺麗だったけど、Coccoの雨の中踊るシーンは神々しかったです。


------------------------以下ネタバレあり-----------------------------








小説家田中はなぜ姿を消したのか?

途中で登場して姿を消す、塚本監督が演じる小説家田中については、色んな意見があるようです。
KOTOKOの歌が聞きたいがために、徹底的にKOTOKOに痛めつけられても「大丈夫」と言っていた田中は実在したのか?それともKOTOKOの妄想なのか?というところから、実在したのだとしたらなぜ姿を消したのか?というところまで、本当に色々な意見があるようです。
見方によって実在していたとも妄想だったとも受取れるような構成だし、そのあたりも見る側に解釈を求める映画だと思います(そこがすごい!)。
見ている間は田中はKOTOKOに何をされても全てを受け入れるので、「こんな人がいるわけない。田中はKOTOKOの妄想」だと思って見ていました。
しばらくたつと普通に田中はKOTOKOに耐え切れなくなって逃げた・・・と思いました。





そういうわけで圧倒的に見ているのが辛い映画で、救いがあるんだかないんだかもよく分からない苦しい映画なのですが、見て良かったと思える映画でした。 
これが「生」なのかも、と。

驚嘆したのは、歌手であるCoccoの演技力です。
演技なのか地なのかよくわからなくて、そこが色々と感じ入るポイントなんですが、最初のほうは少々困惑してしまいました。
KOTOKOがあまりにもCoccoだったので。

そういうわけでCoccoありきの映画ですが、映像については塚本節で表現が過激で、映像が凝っていて見応えはありましたが、血や暴力が苦手な方はご注意ください。
妊婦さん、若いお母さんにもおすすめはできません。
塚本監督の作品に免疫がある方は大丈夫だと思うけど、Coccoファンは見るのもお辛いのではないかと思います。
「ベティ・ブルー」「ブラックスワン」等がお好きな方はぜひご覧下さい!
KOTOKOはベティやニナよりある意味激しいし、痛々しいし、繊細です。
主人公が幻覚を見る映画は多々あれど、ここまで壮絶なのは塚本晋也×Coccoならではだと思いました。


ロケ地

都内は目白のほうとtwitter情報
沖縄は多分フクギ並木通りが出てきたので備瀬かな?

引用: TripAdvisor


この沖縄のシーン、KOTOKOの姉役はCoccoの実姉だそうです。
大きくなった大二郎役はCoccoの息子さんです。

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