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祖谷物語 -おくのひと- (2014) 35mmフィルムで撮られた徳島県祖谷の映像美

1980年代、甲子園で連覇を成し遂げた徳島県の池田高校という強豪チームがあり、名監督と言われた蔦文也監督(故人)がいらっしゃいました。本作『祖谷物語 -おくのひと-』は、その蔦文也監督のお孫さんである29歳の蔦哲一朗監督の自主制作映画で、配給も自分たちでやられているそうです。お孫さんは同じ監督でも映画監督になられ、故郷徳島の秘境と言われている祖谷を舞台に自然と共に生きることの難しさ、厳しさや崇高さを描いた作品です。
ある日、自給自足の生活を夢見る工藤(大西信満)は、東京から豊かな自然が残る徳島県の村にやって来る。だが、見た目は穏やかな田舎でもイノシシなどの害獣と村人との戦いや、地元の土建業者と自然保護団体との反目などいろいろな問題が起きていた。そんな折、彼はへんぴな山奥で暮らすお爺(田中泯)や春菜(武田梨奈)と知り合い……。-cinema today
 

35mmフィルムに焼き付けられた祖谷の映像美

祖谷の春夏秋冬、その季節ごとにおさめられた荘厳で幻想的な自然美、そして美しいだけじゃなく厳しく時に残酷な映像美が圧巻でした。「春を背負って」以来の35mmフィルム映像で、やはり映画は35mmフィルムが一番なのかも・・・とか言っちゃって見分けがつくのかと言われたら怪しいもんですがwしかもDVDだし。

この映画、蔦監督の自主制作で、配給も自分たちでやられたそうなのですが、自主制作で35mmは凄いなぁ、と思いました。この映画、昨年ミニシアターで上映中だったときに見たかったのですが、見にいけずDVD鑑賞となったですが・・・見に行けばよかった。
その美しく厳しい山河や自然にとことん寄り添ったやさしい映画で、柳田國男「遠野物語」にも通じるような、民話のような幻想的な映画です。

電気もガスもない家で、昔ながら自然のままに暮らす春菜とマタギのお爺--2人に血の繫がりはない。そんな人里離れた山奥の村でも、押し寄せる文明の波(ホントは田舎ほど文明に頼らざるをえないことが多いですが)。元々の住民は便利さを選び、後から住み始めて一番厳しい季節には帰省しちゃっていない外国人なんかは自然を選び、そこれ起こる亀裂なんかはとてもリアルです。

春菜も二時間かけて山を下りて学校に通っていたのが、スクーターで通うようになる。そして高校生になり進路に悩み始めます。お爺だけが粛々と同じように毎日を営んでいます。田舎で農耕生活をしようと東京からやってきた工藤という男が春菜とお爺に絡み始めて・・・

工藤は思った以上の自然の厳しさに抗ってみたり、自然とお爺のように共存してみようとしたり、となんだかんだお爺に魅せられてゆきます。そして春菜と工藤がそれぞれの居場所を見つける物語です。



これは魅せられてしまう!

-おくのひと-お爺の生き様

サブタイトルの-おくのひと-というのは、大地に根を張り厳しい自然と共存し続けているお爺のこと、そしてお爺の生き方を継ぐ者のこと。人との接触をさけるように、森の奥深い所も電気、ガス、水道もなしで、狩猟と耕作で自給自足。田中泯さん演じるお爺は黙々と日々営んでいる姿が仙人みたいで絵になり、憧れてしまいそうになりますが、やはり厳しいです。そんなお爺の生き様を見てきた「他所者」の春菜は、お爺の生き方を継ぐのか?同じく「他所者」の工藤は?というところが見所のひとつです。

ジブリ映画とか日本むかし話の実写版という感じの内容ですが、監督はジブリ映画に大きな影響を受けているんだそうです。もののけ姫と春菜は色々と被る設定です。

途中東京に舞台が移ってからの方向転換については賛否両論みたいですが、お爺の生き様は現代社会ではファンタジーだし、そう思って見ていたせいか、それほど違和感は感じませんでした。。。むしろ魅力でした。ホラーっぽいのは想定外でしたが。丁寧にリアリティをもって紡いでいた祖谷編に比べ、東京編は少々とっちらかってる感がありましたが、、映画監督の河瀬直美監督が役者として登場していたり、山でとても魅力的だった山娘の春菜が東京では魅力なくなっちゃっていたり、と見所はあり楽しみました。

そういえば河瀬監督、別の映画で役者として年増のボンテージSM嬢やっていました・・・それはあまり見たくない感じだったけど、こちらは笑ってしまうほどハマっていました。オチはいまいちよくわかんかったですけど。妄想オチでしょうか?でもパワーがある映像がもり沢山で退屈はしませんでした。

ヒロイン、春菜を演じてい武田梨奈とお爺役の田中泯さんがすばらしかったです!武田さんはアクション封印しても、ちゃんと大地に根をはっている強さがありました。険しく厳しい自然の中をかけ回るのは、アクション以上に体力要りそうでした。

田中泯さんはまさかの台詞なし。それなのに凄い存在感で、マタギの格好で山を移動する姿が絵になりかっこいいな、と。



祖谷に行ってみたいな、と思ってちょっと調べたら、宿泊施設の数からいって、自分が生まれ育った所よりも街っぽかった。「田舎に行きたいな。」とか思い立って出かけてみると、実家みたいな風景の所だった・・・という田舎者アルアルのパターンかも。

そんな所でも春菜やお爺みたいな生活している人はいなかったし、囲炉裏で鍋炊く家なんかなかったし、モンペ少女なんか会ったこともないので、ドキュメンタリーっぽくリアルに描いているようでどこかファンタジックな祖谷を描いていたのかな、と思います。

因みに監督の次回作は祖父である池田高校監督蔦文也のドキュメンタリーだそうです。そんなん絶対見るに決まってる。

ロケ地は徳島県三好市:東祖谷、西祖谷。
東京編は中野だそうです。

●かずら橋
引用:wiki
三好市西祖谷山村善徳



■祖谷物語-おくのひと- [DVD]  ■祖谷物語-おくのひと- [Blu-ray]




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