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サウダーヂ (2011) 地方都市(甲府)のリアルは日本の縮図




「サウダーヂ」は確か東日本大震災の頃に評判になっていた映画です。
その頃富田克也監督のティーチ・インの日に、渋谷ユーロスペースに観に行きました。
人気俳優が出演した漫画や小説原作の安直に大量生産されている昨今の邦画界のアンチテーゼのような作品だと思います。
サウダーヂとは、ポルトガル語で憧憬、郷愁、憧憬、思慕などの意が含まれるような微妙な言葉で、日本語にはないらしい。
土肩、移民、そしてヒップホップ。
それを不況と空洞化で疲弊した山梨県甲府市という地方都市で包んだみたいな映画です。

山梨県甲府。日系ブラジル人やタイ人をはじめとするさまざまな外国人労働者たちが働く土木建築業。ヒップホップグループ、“アーミービレッジ”のメンバーである猛(田我流)は、建設現場で多くの移民たちと共に働き始めるが、その中には土木業ひとすじの精司(鷹野毅)やタイ帰りの保坂(伊藤仁)もいた。--cinema today

社会の底辺で足掻きながら生きているが、現状は変わらない、むしろ悪化する人たちの姿と、足掻きながらも疲弊していく地方都市の姿を描いた作品です。
決して問題提議をしているような描き方ではないけど、社会構造の歪みを嫌というほど見せつけられ、かなり痛くて辛いんだけど面白い作品です。
でも、この映画の魅力について文章にすることは、とても困難です。

舞台となる甲府は、東京から中央特急で1時間20分くらいの山に囲まれた廃れゆく地方都市、商店街はシャッター商店街になっている。
若者たちは東京に出ていき、地元に残っているのは言わば底辺の若者達。
去る若者達に代わって住みだしたのは、ブラジルやタイからの移民たち。
彼らは日本で稼ごうと移民してきたわけだが、地元の若者たちにとっては仕事を奪ううっとおしい存在。
そして移民したにもかかわらず、日本は不況が続いており稼げない、母国に帰らざるをえない人もいる。
中には故郷を捨てて、こんな不況の日本で生きていこうとするタイ人もいて、故郷からタイに逃げていた日本人もいる。



こんな感じで、どこにでもいそうな人たちの姿を、多方面から描いている群像劇。
群像劇はやがて交わり合い悲劇を生むが、それぞれのサウダーヂは決して交わらない。

とはいえ、中盤あたりまでは下らない会話と結構スレスレのブラックなユーモアで笑えます。
でも懸命に生きているけどキツい状況の登場人物たちが、自ら真綿で首を絞めるにジワジワと追い詰められいく様が侘びしいやら滑稽やら。
後行き詰まり感が切実・・・で、最終的にはこの映画に絶望させられてしまったわけです。

8mmで撮影したというザラザラした映像が、リアリティのようになっているとともに、登場人物たちの自力では解決できない不安や焦燥感を浮き彫りにしていて良かったです。
映画に映像美を期待する人にはあまりおすすめできないけど。



淡々と描いて、昨今の映画のようにわかりやすい感じをあえて避けて描いているから観ている最中も考えさせられ、飽きない映画です。
「がんばってやっていればいつかは良くなるよ!」というのはファンタジーの世界。
地方都市の衰退は、ここまで深刻な問題なんだと思います。

自分は地方都市ともいえない九州の山奥が地元ですが、シャッター商店街もあるし、そんな超田舎にもフィリピン人や中国人が移民してきています。
そして地元民と移民たちとの軋轢もあるみたいですが、この映画のように自分の故郷を捨てて移民した人もいると思います。
自分も含め多くの人達は都会で生活しているわけで、理由は田舎には仕事がないから。
そしてこの映画を観ていて辛い、痛いと感じたのは、多分自分のサウダーヂはこの映画に描かれていたような所だからだと思います。
というか、日本の地方都市はどこも同じような問題、同じような風景だと思います。

出演しているのはプロの役者じゃないそうなんですが演技うますぎ。
ご当地映画なんかで地元の人使って棒読み・・・みたいなのが皆無でした。
この映画はまた見返したい映画なんですが、DVDが出ていないのです。
・・・というか、映画館で見てこその「サウダーヂ」であるゆえ、制作側にDVD化の意図はないそうです。

そういわけで、ロケ地は山梨県甲府市です。


○ホテルグランヴェルジュ甲府
教祖演説のシーン
住所:山梨県中央市山之神3616-4

○かすがもーる
引用:Wiki
シャッター商店街







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